【6085】アーキテクツ・スタジオ・ジャパン 銘柄分析 日本最大級の建築家ネットワーク

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最終更新:2020年10月28日

 

アーキテクツ・スタジオ・ジャパンとはどんな会社

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  • アーキテクツ・スタジオ・ジャパンは建築家をネットワークする会社である。具体的には、2020年3月期時点で約2952人の建築家と123の建設会社をネットワーク化し、顧客に建物づくりの選択肢を提供している。
  • 対象は個人住宅であり、顧客(家を建てたい人)が同社のサービスを利用することで、理想の建築家と出会い、理想の家づくりができる。
  • アーキテクツ・スタジオ・ジャパンの収益は大半が加盟建設会社からのロイヤリティーとなっている。加盟建設会社はアーキテクツスタジオジャパンへのロイヤリティを払うことで、同社から施工を依頼してもらえるといったビジネスモデルである。2020年3月期では、この建設会社からの収益が全収益の59%を占めている。
  • 続いては、イベント関連売上でこれが全収益の23%を占めている。同社は顧客と建築家が出会う場所として多くのイベントを主催しており、その企画費や販促物等の関連売上がここに入っている。
  • 残りの18%には、建築家からのプロモーション料や、情報誌・建設資材などの売上や、土地や建物の紹介手数料が含まれている。

services.asj-net.com

東証33業種分類:サービス業 時価総額順位485位/490位

時価総額:12億円 マザーズ市場331位/332位

上場:2013年12月

セグメント構成:建築家ネットワーク100%

 

アーキテクツ・スタジオ・ジャパンの過去の業績推移

売上高の推移

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  • 2016年〜2019年にかけての4年間の売上高は基本的に横ばいで、ほぼ変化なし。ただしそれ以前を振り返ると、上場して初めての決算である2014年3月期で15.82億の最高益を上げていて、それ以降長期的には減少傾向に見える。
  • 2020年は前年比29%減と大きく落とした。要因が2点あり、1点目は2019年10月からの消費増税の影響である。住宅業界全体として着工数が減っているようだ。
  • 2点目はCOVID-19の影響だ。同社の売上は例年は3月に集中するとのことだが、今年は外出自粛により契約打ち合わせの延期、イベントの延期などがあり、例年並みの売上を上げることができなかった。

 

営業利益推移

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  • 近5年を見ると基本的に赤字続きである。2019年だけが黒字となっている。
  • 同社は2016年〜2019年は12〜14億程度売り上げているが、サービス業のため売上原価は少なく、売上総利益率は80%を超えている。すなわち、10億程度が売上総利益となり、そこから販売管理費を引いた額が、営業利益となる。
  • その販売管理費だが、2016年から順に11.2億、12.2億、11.8億、10.4億、12.0億となっている。つまり、売上総利益に対して販売管理費が上回っており、現状は利益を上げられる構造になっていないということだ。
  • 2020年は販売管理費は変わらずに、売上だけ減ったのでその分で大きな赤字となってる。また、建設加盟会社が4社倒産してしまい、損失引当金を計上したことも大幅赤字の一因となった。
  • 販売管理費は近年の傾向から10億以上は最低でもかかるようなので、売上高を伸ばさない限り黒字転換は難しいだろう。ただし、売上も長期で見て減少傾向なので、なかなか先行きが怪しい。

 

EPS推移

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  • EPSは営業利益に準じて、基本的にはマイナス。
  • 僅かに利益を上げられた2019年で、若干のプラスになっている。

 

ROE推移

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  • 経営の上手さを表す指標であり、10%を超えると優秀とされるROEだが、赤字経営のため基本的にはマイナスとなっている。したがって、ROEは数値としての意味は持たない。

 

株価推移

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  • 2013年12月にIPO価格2050円で上場し、公募を大きく上回る4600円をつけたが、その後は長期的に下落トレンドとなっている。この間、なかなか利益を上げられない状況が続き、売りが優勢なようだ。
  • 現在の株価は757円となっている。赤字のためPERでの評価が出来ないので、仮計算で割安かどうかを判断する。
  • まずは、売上高は10億円、営業利益率5%と仮定すると営業利益は5000万円となる。純利益もざっくり5000万円と仮定し、現在の時価総額12億円を仮定の純利益5000万円で割ると、PER24倍となる。
  • 雑な試算ではあるが、営業利益率5%も、営業利益=純利益もかなり甘めに見積もった前提条件であり、その結果PER24倍なのでかなり割高と判断できるだろう。

 

経営計画・今後の展望

  • 事業戦略の一部として、富裕層を中心とした顧客に直接的な支援を行い、認知度およびサービスレベルを向上させること。同社の建築家ネットワーク事業のノウハウを活かした新事業を中国に展開することなどを上げている。これらにより売上高を上昇させることを目標としている。
  • 一方で、役員報酬および従業員の給与を削減することで、販売管理費を減らすことも行うとのことだった。
  • この売上高の上昇および、管理費の削減によって利益回復を狙っていくようだ。
  • ただし、COVID-19の影響もありで2021年3月期の業績見通しは出せていない。

 

配当・株主優待

 

まとめ・投資判断

  • 建築家および建設会社をネットワークし、顧客に建物づくりのソリューションを提供するビジネスを行なっており、主な収益源は加盟建設会社からのロイヤリティーとなっている。
  • 売上高は上場以来下落トレンドとなっている。一方で、近年は販売管理費が売上総利益を上回っており、現状では利益を上げられる構造になっていない。したがって、黒字転換の目処は立っていない。
  • また、仮に5%の営業利益を上げられる場合での試算でも、PER24倍と割高である。仮に利益を上げられるようになっても、割高のためまだまだ下落トレンドは続くと思われる。
  • 黒字転換の目処が立っていない事、仮に黒字化に成功しても株価は割高な事、この2点から投資判断としては「見送り」としたい。まずは、安定して利益を上げられるようになってから再度検討したい。

 

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