【5704】JMC 銘柄分析 鋳造がメインもCT事業が急拡大で主力へ!

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最終更新:2020年9月14日

 

JMCとはどんな会社

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  • JMCは「鋳造事業」、「3Dプリンター出力事業」、「CT事業」の三事業を展開している。
  • 主力は、売上の62%を占める「鋳造事業」だ。鋳造とはドロドロに溶かした金属を型に流し込み、冷やして固める金属加工方法である。同社は砂型鋳造と言う、その名の通り、砂で型を作成する手法を用いている。砂型は、砂が安価、形状の自由度が高いというメリットがある。
  • 続いては、売上の20%を占める「3Dプリンター出力事業」だ。こちらは、材料を1層ずつ積み上げながら、目的の形状を作成する加工方法である。この手法は、中空であったり内部に複雑形状があるなどして、切削で加工できないような形状を作成できるというメリットがある。
  • 鋳造では冷却時に割れやき裂が生じたりするし、3Dプリンターはまだ発展途上であり精度が出ない。したがって、これらの手法は量産向けというよりは、試作段階で使用される。同社としても、大量生産は一切行っておらず、試作・小ロット生産をビジネスとしている。
  • これらの主な販売相手は「自動車」、「医療機器」、「電子機器」など幅広い。
  • 続いて売上の18%「CT事業」。CTと聞くと病院でX線を使って病気を診断するイメージがあると思うが、同社が行っているのは産業用のCTである。産業用部品の非破壊検査、測定などの受注を行っている。またCT装置自体の販売も行っている。

www.jmc-rp.co.jp

東証33業種分類:非鉄金属 時価総額順位29位/34位

時価総額:44億円 マザーズ市場252位/326位

上場:2016年11月

セグメント構成:鋳造62%、3Dプリンター出力20%、CT18%

 

JMCの過去の業績推移

売上高の推移

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  • 2015年以降、売上高は右肩上がりで、年平均21%の成長率。4年で2倍以上に成長。
  • 3事業あるが、2019年まではどの事業も順調に売り上げを伸ばしている。
  • 2018年に大きく跳ね上げているが、この時は鋳造事業が牽引した。当時は自動車のEV化による新規受注の増加があった中で、同社の新工場の稼働で生産能力が拡大したことが寄与した。
  • 2020年決算の計画では29.27億と期初計画では微増。ただし、第二四半期決算では売上10.77億と進捗37%と大きく未達である。コロナによる経済活動停滞の影響を大きく受けて鋳造事業が大きく減速した。

 

営業利益推移

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  • 特徴的なのは2017年のみ大きく凹んでいる点だ。2017年は、鋳造事業で前年比1.66億減と多くの利益を失っているが、外注費の増加が最大要因である。納期のコントロール等で外注費が多くなったとのことなので一過性の下落である。
  • したがって、2017年を除けば基本的には9%〜13%と安定して高収益を上げている。
  • 直近の2019年は、自動車業界に依存度の高い鋳造事業が、自動車業界の業績悪化の影響を受けたため前年比で若干下落している。ただ、それでも9.43%の営業利益率ならば優秀と言えるだろう。
  • 2020年12月期では期初計画で2.05億、営業利益率7.0%と、コロナを織り込んで減益予想と控えめ。ただし、第二四半期決算時点では1.61億の赤字かつ、通年予想は非開示。想定を上回る経済活動の停滞で、大きく落ち込んでしまった。

 

EPS推移

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  • 2017年に営業利益減少に準じて大きく下落した以外は、概ね微増傾向。直近の2019年は営業利益縮小で10円落とした。2020年は赤字転落でEPSはマイナスとなる。

 

ROE推移

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  • 経営の上手さを表す指標であり、10%を超えると優秀とされるROEだが、直近の2019年では7.6%と平凡。特記事項はなし。

 

株価推移

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  • 2016年11月に上場してから、特に方向感の無い動きが続いている。
  • 2018年9月に高値2418円をつけている。最高益を見込む2018年12月期第二四半期決算が出る時期だった。
  • その後は、基本的に下落基調であり、直近では840円と最高値の約3分の1まで落としている。
  • 2019年のEPS31.2を用いると、現在のPERは26.9倍とやや割高である。

 

経営計画・今後の展望

  • コロナの影響を大きく受けており、中期経営計画の数値目標も凍結してしまっている。現状からの回復には時間がかかりそうである。
  • 今は、来たるべき時に向けて、①内製化の促進(納期のコントロールにより発生する外注費を抑えるために、自社生産能力の拡大すること)、②教育・人材への投資、③新サービス・製品の開発着手、に取り組むという方針らしい。
  • 希望となるのは、「CT事業」である。下記にCT事業の業績推移を示す。2016年に1.01億の売上だったのが、2019年では売上5.17億と急拡大している。2020年第二四半期でも半期で売上4.04億と、通期では更新が確実だ。更に、40%を超える営業利益率を叩き出しており、今後は「CT事業」が同社を牽引すると思われる。この産業用CTに関しては、知らない人がまだ多くいるので、認知向上、啓蒙しながら市場を作っている段階とのことで今後の拡大余地も多くあると思われる。
  • CT事業だけで通期3.57億の利益を見込んでおり、2018年に出した最高益に一事業で匹敵することになる。成長も見込めるし、この事業への期待感でPER26.9倍と割高なことも納得である。
  • 一方で鋳造事業は、現状では不採算事業となり脚を引っ張っている。いずれ黒字には持っていくとは思うが、通期でも大きく赤字になるだろう。また、外的要因として、CAEによる試作レス化なども今後進んでいくように思う。CAEとはComputer Aided Engineeringの略で、シミュレーションによって効率的にものつくりを行うことだ。試作するより低コストで製品設計が行える上に、近年のコンピュータの急成長で精度も拡大している成長事業だ。したがって、現在の主力である「鋳造事業」は市場としても縮小傾向になると予想している。
  • したがって、2019年時点での主力である、「鋳造事業」が落ち込み、2019年で3番手である「CT事業」が一気に主力になると思われる。

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配当・株主優待

  • 配当金や株主優待はなし。
  • 2019年の決算発表でも配当や優待に関する言及はなかった。

 

まとめ・投資判断

  • 近年では年平均21%と順調に売上を拡大している。
  • 営業利益率は外的要因には左右されるが、概ね9%〜13%を推移している。
  • ただし、2020年はコロナの影響を受け、赤字転落である。
  • PERも2019年のEPSを用いた値で26.9倍と割高である。
  • 希望となるのが、近年急成長かつ高営業利益率を上げている「CT事業」である。実際、通期利益が3.57億と、この事業だけで2018年の3事業合計の最高益を更新する計画だ。鋳造事業が赤字転落となっていなければ、株価は最高値をつけていてもおかしくはないだろう。
  • 将来的には「CT事業」が同社を牽引することになると思うが、その時に、赤転の要因となった鋳造事業が黒字化できていれば、会社としては良い状態と言えるだろう。(少なくとも売上高減少でも良いので、不採算事業にならなければ良い。)
  • 投資判断としては、「CT事業」への期待感だけで購入を検討したく、長期では大きく上昇すると予想する。ただし、通期業績予想は赤字だし、短期的には株価はまだ下がる余地はあるように思う。
  • 今買っても、上昇までに時間がかかりそうで、その間の機会損失もありそうと考える。買いのベストタイミングを探るのは難しいが、もう少し様子を見て、鋳造事業の黒字化の見込みが立つなど、悪材料出尽くしのタイミングを図りたい。
  • 現在の主力(鋳造事業)の大幅減速によって、将来の主力(CT事業)の急成長がカモフラージュされている、このギャップを狙いたいところだ。

 

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