最終更新:2020年12月16日
Appbankとはどんな会社
- AppBankはマックスむらいがCEOを勤めるメディア会社だ。
- IPhoneアプリのレビューサイトや、マックスむらいチャンネル、パズドラやモンストの攻略サイトを運営している。これらサイトでの広告収入およびグッズの販売で収益を上げている。
- 事業は「ストア事業」、「メディア事業」に分類される。
- 「ストア事業」では同社のグッズを実店舗およびサイトで販売しており、売上全体の約62%を占める。ただし、2020年1Qで既に売却し、ストア事業からは撤退している。
- 「メディア事業」では上記に書いたサイトや動画配信において広告枠を提供し、収益を得ている。売上全体に占める割合は約38%だ。
東証33業種分類:サービス業 時価総額順位482位/492位
上場:2015年10月
セグメント構成:ストア事業62%、メディア事業38%
Appbankの過去の業績推移
売上高の推移
- 2012年に設立してから売上高は指数関数的に上昇。2015年に売上高は39.66億とピークを迎えた。
- そんな中、役員が詐欺によって逮捕されたことで、クライアントからの広告は激減し、2016年には売上高23.32億と大きく落とした。(下記記事参照)
- その後も売上の減少は止められていない。2020年は3Q決算まで出ているが、今のところ前年同期比で売上は減少しており、通期予想は非開示となっている。
営業利益推移
- 売上高のピークを迎えた2015年は、営業利益率も23%と非常に優秀だった。
- ただし役員逮捕による風評被害を受けた2016年以降は、4年連続赤字となっている。
- 2020年通期予想は非開示。
EPS推移
- EPSは営業利益に準じて、2016年以降は常にマイナス。
- 2020年決算では-25.5円を想定。
ROE推移
- 経営の上手さを表す指標であり、10%を超えると優秀とされるROEだが、2015年は73%と極めて優秀な値だった。
- 近4年は赤字であるため、常にマイナス。
株価推移
- 2015年10月にIPO価格1200円で上場し、公募を上回る初値1750円をつけた。同月はそのまま上げ続け、10月23日に高値3820円をつけた。
- その後は売上の減少、赤字の継続とともに、長期的に下落トレンドとなっている。
- 現在の株価は175円。最高値から約20分の1という驚異的な下げとなった。
- 現在は赤字となっており、PERを算出することは出来ないため、仮の利益で試算を行う。2019年の売上高は約13億円だが、仮に営業利益率10%まで回復したとすると、営業利益は1.3億円となる。純利益も同額と仮定し、今の時価総額14億を想定純利益1.3億円で割って、PERは10.8倍となる。
- つまり、仮に今の規模で営業利益10%まで回復したとして、やっと平均的な株価水準となる。赤字状態の現状を考えると、実質的には割高と言えるだろう。ピーク時の20分の1の株価だが、まだ下げる余地はあるということだ。
経営計画・今後の展望
- メディアおよび動画のPV数の向上、広告単価の上昇などの施策を実施中。
- マックスむらいチャンネルをSEASON2としてリニューアルし、スケールアップした様々な企画を提供。
- これらにより、収益構造を再構築し、まずは赤字体質からの脱却を目指すとのことだった。
- また、ストア事業を構成していたAppBankStoreの株式を譲渡し、連結の範囲から除外した。つまり同社はストア事業から撤退し、メディア事業1本で収益を構築することになる。
配当・株主優待
- 現在、配当および株主優待はない。
まとめ・投資判断
- 動画やウェブサイトでの広告を提供や、グッズの販売なので収益を上げている。
- 2012年に設立以来、右肩上がりの成長を続けており、2015年にピークを迎えた。
- しかし役員逮捕の影響を受け、2016年には大きく売上を落とした。その後も売上減少および赤字は継続している。
- 現在、ストア事業から撤退しメディア事業を基盤として、赤字脱却を狙っているところである。
- 株価は2019年の売上高に対して10%の利益を上げられた場合でも、PER10.8倍と平均的。現状で利益を出せていないことや、ストア事業を売却して2020年以降売上はもっと下がることを考えたら、むしろ割高であり、まだ下がる余地は大きい。下げ過ぎと判断して反発狙いで買うことも考えられない。
- 以上をまとめると、①収益構造が確立できていないこと、②仮に利益を上げられるようになっても株価は割高なこと、この2点の理由から投資判断としては「見送り」としたい。メディア事業で利益を上げられるようになった段階で改めて検討したい。
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